破壊力! 〜その3〜

破壊力の記事の振り返り第三弾です。〜その2〜 よりこっちの方がどっちかというと本論に近い気がします。

テーマは、


●ある集団における文化について。そして、その変革について。


さて、どういうことか。




国際協力の世界(僕が今いる青年海外協力隊プロジェクトとか)では、こないだも書いた様に、現地の文化をまず重視すること、尊重することがまず何よりも大事だと思います。


例えば、現地にいって、「あなた達はそうやって時間を守らないからダメなんだ!」とか「日本のトヨタがやってるようにカンバン方式を取り入れてもっと効率化しろ!」とか、もっと極端な例になると、「家族との時間を重視しすぎるから仕事の効率が上がらなくて経済成長しないんだ、もっと働け!」とか。。。(笑)そんなことを言っても、なんだよそ者がなんかほざいてるぜ、となっておしまいです。笑


現地の文化や宗教、価値観を考慮に入れずに行ったプロジェクトの失敗例なんて山ほどあるでしょう。









これを、国際協力の世界だけに当てはめずに、もっと拡大して考えると色々面白い考えが沸いてきました。


「ある集団に入った時に、その集団の文化にどうやってとけ込むのか、またどの程度自分との違いを受け入れるのか、どの程度自分の意見を突き通して行くのか」という一般化ができると思います。



「国」は人の集まり、つまり「集団」で、その集団が「文化」を形成しています。


そういう意味では、例えば「会社」も同じです。会社も「集団」で、社風、みたいな「文化」があります。

会社にも「文化」があります。






なので、

「外国で活動するときにはまずその国の文化を尊重することが大事だ!」というのが正しいのなら

「会社で働く時にははまずその会社の文化を尊重することが大事だ!」というのも正しいはずです。



さてさて、そうなると、僕みたいに入社当初から上司に反抗しまくって、残業もせずに、飲み会にも一切顔を出さずに、挙げ句の果てに2年で会社を辞めた様な人間は、全くその会社の文化を尊重していなかった事になります。(、、、笑)

(すいませんでした、当時ご迷惑をかけた方々。。。笑)



その僕が、当時、「海外では現地の文化を尊重することが大事だ」なんて言っていたので、今考えてみれば矛盾しているも甚だしいです。 (すいませんでした。。。笑)




さて、話を戻すと、どの程度、「ある集団」の「文化」を尊重すればいいんでしょうか。




たとえば、ニカラグアの時間にルーズなカルチャーは、改善していくべきなんでしょうか。それとも伝統な価値観として重視すべきなんでしょうか。

付き合いの飲み、には参加しなくてもいいんでしょうか、それともその伝統をリスペクトして参加すべきなんでしょうか。






一つ目の問題は、「そう簡単に一般化できない」ということです。

多分、「時間にルーズでリラックスしたラテンのカルチャーを維持しつつ、必要な時には時間を守って行動するのが良い」というのが、優等生の回答な気がします。笑

同じ様に「付き合いの飲みが醸成する日本企業独特の良さ、にも配慮しつつ、家族やプライベートも配慮したバランスのとれた生活を送る」みたいなのが優等生の回答でしょう。笑



この例でも書いた様に、問題はいつもCase by Caseだと思います。


今度別の記事でも書こうと思ってますが、人間はすぐ一般化する傾向にあると思います。(特に僕みたいに頭でっかちな人間。。。笑) なぜならその方が分かりやすいし、人間は分かりにくいものに恐れや不安を抱くから。

日本人は真面目、アメリカ人は自分勝手、ラテン人は陽気、アフリカ人はダンスが上手い、etc etc...笑

同じ様に、現地の文化を尊重すべきか、「破壊」するくらいの突破力を持つべきか、みたいな二元論も、この、一般化、単純か、に含まれると思います。

でも世界はそんなに単純じゃないと思います。








二つ目の問題は、「『集団』や『文化』は一枚岩じゃない」という事だと思います。

ある集団の中には様々な考えを持った人がいます。「文化」といっても、すごく曖昧な概念で、なにか明確な定義があるわけではありません。


ニカラグア人の中にも「時間にルーズな自国の文化が嫌いだ。だから自分の国は遅れているんだ、海外から人が入ってきてそういう文化を根付かせてほしい」と思っている人もいるわけです。

会社の中にも「付き合いの飲み会には行かなくても良い、というカルチャーが根付いてほしいなあ」と思っている人もいるわけです。


そうすると、「現地の文化」ってなんなの?って話になってきます。 マジョリティの意見がその集団の文化なの?それも違う気もします。




会社説明会とかに行くと、「イノベーター求む!」とか「既存の常識をぶっ壊せる行動力のある若手大歓迎」みたいなキャッチーなフレーズが並んでいます。

その会社の中にも、「若い力が入ってきて、今までの悪習を変えてほしい!」みたいに思ってる人もいる訳です。

でも実際に部署に配属されて、イノベーティブ(と自分が思っている事)をやると、「これだから今時の若者は!」となる。。。笑

そうすると、「社風ってなんなの?」ってなるわけです。







だから、当然「破壊力が大事だ!どんどん破壊して行こう!」みたいな一般化はできないし、するつもりもなかったわけです、、、


ただ、「破壊力」というか、「信念をもって物事を突き進める人」がいても良いと思う訳です。それが必要とされている場所もあるし、それを必要としている人もいるから。







ということで、長くなりました、結論。


いろんな人がいて良いんじゃないだろうか。「破壊力」を持った人がいてもいいし、ある文化を最大限尊重してソフトに彼等とともに生きて行く人がいても良い。だって、世界にはいろんな考え方の人がいて、いろんな人が必要とされているんだから。

世界は1枚岩じゃないです。世界は70億枚岩です。








という、また、当たり障りのない結論、でした。笑