ニカラグア レポート②  途上国のCSR (長文)

今日は、色々な形での「中毒者」が社会復帰を目指す「リハビリセンター」なる場所に行ってきました。


公道をそれて、舗装されていない土埃のまう、森の中の道を10分程歩くと、鉄格子に囲まれた一区画。
なんか、ほんと、映画に出てくる社会から隔離された施設のようです。ちょっとびびる。


今日そのセンター長と話してきました。


「中毒」には色々な形があります。

良く知られているのは、アルコール中毒とか、ドラッグ中毒だと思います。
けど、他にも、セックス中毒、恋愛中毒、インターネット中毒、クレジットカード使用中毒、など様々な形があります。


センター長も元中毒者です。



ここには、基本的に、軽犯罪を犯して裁判所の指導で来る人々と、自らの意思で中毒を抜け出したくてくる人の二通りの患者さんがいます。


毎日の日課が決められていてい、規則正しい生活と、中毒についての基本的な学習をすることで、社会への復帰を目指すそうです。

プログラムは通常2ヶ月。改善しない場合は、2ヶ月のプログラムを複数回繰り返すそうです。



ちょっとびっくりしたのは、この施設は政府管轄ではなく、かつ、患者から入所料をとっているわけでもなく、完全に企業からの寄付でなりたっているということ。(水道代や電気代、通信料は政府が無料にしているらしい。)


ニカラグアには、日本のKFCみたいな店である、フライドチキンのチェーン店、TIP TOPというのがあります。
その企業が多くの支援をしているということ。


途上国にもちゃんと、CSR (Corporate Social Responsibility)=企業の社会的責任 を行っている企業があるんです。



今回の訪問で色々面白かったんだけど、まず一つ目は、色々な社会に生きている人がいる、ということです。

日本では、このような施設を訪問することはまずなかったです。
こういう風に中毒から抜け出そうとして、外界から隔離された場所で日々生活している人々がこの世の中にはいる、ということ。

単純に色々考えました。
彼らが日々何を考えながら生活を送っているのか。
どうして中毒になってしまったのか。
どういうふうな未来を歩んで行くのか。歩んで行きたいのか。



2つ目は、そういう人々を支える社会の仕組みについてです。
中毒になってしまった彼らを責めるのは簡単です。
でも、ニカラグアの用に貧しい国(経済的には。精神的にはそうは思わない。)でも、それを社会として支える仕組みがある、ということです。
それは、政府かもしれないし、企業かもしれないし、市民社会かもしれない。でも、多分、どこの国にも、こういう人々はいるんです。そして、それを支える仕組みも千差万別なんです。文化とか、宗教とか、国民性によって。
面白いなーと思いました。勉強することは、まだまだあるんだなーと思いました。




(今日のまとめ)
・自分とは全く世界に住み、全く違う事を考えている人々が、世の中には沢山いる。
・彼らが日々何を考え、どう生きているのかを考える事には意味があるし、面白い。
・苦しんでいる人々を支える仕組みが社会にはある。色々な形で。