優先順位と空気

前回の記事を読んで頂いた方の中に、栄養や衛生を犠牲にしてまで音響設備を買ってしまうなんて、バカだなあ、とか、教育がないなあ、とか、刹那的だなあ、と思った方もいるかもしれません。

僕も、実際、食べ物がないのにタバコを吸ったりお酒を飲んだりしてる人たちは、一体何を考えてるんだろう、なんて思ってしまいます。





でも、ここで、これを人ごとでなく、自分や、自分の国(日本)にも当てはめて考えてみるとします。




これは、一般化すると「大事なものとそうでないものの優先順位付け」の話になると思います。


彼等は、健康、という優先順位の高い(であろう)ものを犠牲にして、音響設備や酒たばこ、という刹那的な楽しみに走っている、と考えられるかもしれません。



「彼等は教育がないからね」


??


でも、この、優先順位の取り違え、は日本(教育はある程度あると思われる)でも起きている様に思われます。



センシティブな話になるので必ずしも一般化はできませんが、働きすぎて鬱になって自殺してしまう、とかは、優先順位の取り違えの様に思います。


スペインでインターンしてたときに、日本では働きすぎて自殺してしまう人もいるんだよ、という話をしたら、「冗談はよしてくれ、働く為に生きてる訳じゃなく、生きる為に働いてるんだろ」と真顔で言われました。










結婚式や祭りに年収の半分くらいを費やしてしまって、食べ物がないとか、アホなんじゃないか、優先順位考えなよ、と思う人もいるかもしれません。

彼等は教育がないから、お金の使い方を知らないんだよ。

??


でも、これもよくよく考えると実は自分(一応教育ある方?笑)もやっているかもしれません。

僕は、読書が好きです。

本屋で本を見つけて、価格をみる。そして、それが2500円すると、お、ちょっと高いな、考えよう。と思う。


でも、つきあいで飲み会にいって、お会計2500円です、ってなると、「安っ」ってなると思う。



多分、実りのない飲み会に2500円使うより、2500円の本を買って読んだ方が全然為になります。 でも、前者は高いと感じて、購入をためらい、後者はさくっと出してしまう。

優先順位のつけ間違いです。












もうひとつ、彼等が祭りや結婚式に多額の出費をするのは、単に費用対効果の計算でなく「文化」的なものも影響していると思います。

たぶん、祭りにあまりお金を使わずに日々の食事にお金を使ったり、貧乏だから結婚式をやらなかったりすると、「周りの目」が気になり始めます。


うちもお金ないけど年に一回のお祭りの為に頑張って出費してるじゃない、という近所の目とか、結婚式くらいやらないと、という親戚の目とかが気になってくるんです。

「見栄」もあるでしょう。


そういう、文化的なものも彼等の資金の使い方には多分に影響している。



あほらしいって?周りの目なんか気にせずもっと重要なことに目をむけなよ。教養がないなあ。


???


そうでもないかもしれません。


これまた日本でも起きているような気がします。


例えば、「付き合いの飲み」

今日は帰りたいなあ疲れてるから、お金もないし。そもそもまた説教されるからつまらないし。

と思っても、上司から誘われたら行かざる終えない。みたいなこと、ありませんか?

で、チャリーン、5000円になりまーす。


(ちなみに、周囲の目を気にせずに自分の方針を貫くと、変人扱いされてしまうかもしれません。僕、会社員時代、一応商社マンだったにも関わらず、飲み会はほとんど参加しませんでした。2年働いて、職場の人と飲んだのは、多分、5回くらいでしょうか。笑  そうすると、変人扱いされる。近頃の若者はコミュニケーション能力がない、とか、人付き合いがへたくそだ、とか。笑   なので、要注意。笑  ま、上記のような理由があって、意図的にやってたわけですが笑 飲み会行かなかった日は、今日の飲み会代で、と思って本買って家で読んだりしてました笑 すいませんでした、これを読んでいる前同僚の方々。。。笑  飲むのが嫌いな訳ではなく、「付き合いの飲み」とか「どうせ説教されるだけの飲み」が嫌いなだけです!笑)





これ、周囲のプレッシャーによってお祭りに多額のお金を費やしてしまう人達と似ている構造だと思います。


もちろんレベルの違いはあります。けど、根本的な構造は同じだと思う訳です。







一つ目の結論。

●貧しい人達の行動は一件非合理的に見えても、程度の差はあれ、自分も非合理的な行動を日々の生活でしているんではないだろうか。そして、それを振り返ることがあまりないんではないだろうか。

ということです。



そして、二つ目の結論、というかこれは問題提起というか、ここからが難しい部分ですが

「優先順位」は人によって違うんです。当然。だから、一様に決める事はできない。









さあ、じゃあどうしましょ。

もし彼等が、「俺は、3度の飯より高音質で音楽を聴く事が好きなんだ!ほっといてくれ!」

といったら。





おとなりさんちの教育方針に、介入しますか?