貧しい家の素晴らしい音響設備

僕はダンスが大好きです。

ダンスに救われたし、ダンスなしでは生きて行けない。



ダンスに必要な唯一のものは、「音楽」です。


なので、必然的に「音楽」に敏感になっていって、そうすると、「音質」にも敏感になっていく。

これは重低音が効いているな、とか、これはベースの音がイマイチだな、とか。








ニカラグアの貧困地区(と呼ばれる場所)に行く事がありますが、そこで気になる事は、なんと言っても、家々から聞こえてくる、最高音質の音楽!!!!!

もう、重低音効きまくりで、体が自然に動き出しそうな高音質の音楽が家々から流れてきます。


中をのぞかせてもらうと、クラブにある様なでっかいスピーカー!うっひょー、すげー!俺も欲しい!








なんてことを言いたい訳ではないんです。笑 笑







さて、彼等の家は、「貧しい」。

ベッドがないのでハンモックで寝ていたり、調理場が石造りの竃で、火をおこすのに凄く手間がかかったり、土間なので虫が繁殖していて衛生状態が宜しくなかったり。

食べているものも、餓えてはいないけれど(ニカラグアは気候が良い為、食物や果実が育てやすく、一般的に餓える程貧しい人はあまりいないです。)栄養が良いとは言えません。





さてさて、彼等は、「貧しい」んでしょうか。

だって、彼等は、日本のほとんどの家庭にない様な最高音質スピーカーもってるんです。たぶんあれ、めっちゃ高いです。

たぶん、あれ買うお金があれば、コンロ買えます。土間から木材とかタイルの床にできます。






Poor Economics;
http://www.amazon.co.jp/Poor-Economics-Radical-Rethinking-Poverty/dp/1610390938
(日本語訳、貧乏人の経済学:http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC/dp/4622076519


も指摘している事ですが、問題は、絶対的な資金不足ではなくて、「使い方」にありそうです。





こういう例は他にも見られます。たとえば、絶対そんなに収入ないような人が、最新のスマートフォンを持っていたり、ロレックスの時計をつけていたりします。

もしくは、栄養摂取には必要のない「おいしいもの」を買ったり。

はたまた、「結婚式」とか「お祭り」に大量の資金を投じるので、それ以外の部分にお金を使えない、みたいなこともあります。




そうすると、たとえば、収入向上プロジェクト、みたいなのをやって、彼等の収入の向上をはかって、それが成功したとしても、彼等の衛生状態や栄養状態は改善されない事になります。違うことに使うだけだから。(もちろん、単純な一般化はできないけれど)




そうすると、どうやら、「貧困」問題に対するアプローチも変わってきそうです。


「貧困」とは一般的に、収入が少ないことをイメージする人が多いと思うのだけれど、必ずしもそうでもないのかもしれません。






さてさて、そうすると、前に書いた、「おとなりさんちの教育方針」の話の登場です。





「お前ら、良い音響システム買う前に、ちゃんと栄養あるもの食って、衛生的な住居環境を整えろよ!」




       ?