「価値」について

ニカラグアは経済があまり上手くいってなくて、だから、中米で2番目に貧しい国だったりします。

でも、ニカラグアは、中米では最も国土が大きくて、天然資源や観光資源も豊富な国です。なんで発展しないんでしょう?




この話題に関して、必ず出てくるキーワードが「付加価値」です。


ニカラグアの産業は付加価値をつけずに一次産品ばかりを輸出してるから利幅が少なくて儲からないんだよ」

みたいな感じで言われます。



ニカラグアは気候が良くて、気温も温暖なので、農作物は良く育ちます。

例えば、僕の勤務地は大学なのですが、大学の中にマンゴーの木が沢山あって、身が熟すると自然と落ちてきます。こないだ大学を歩いてたら、頭の上にマンゴーが落ちてきて、メチャ痛かったです笑 拾って洗って食ってる人もいます。

それくらい農作物の栽培に適した環境で豊かな風土、気候、っていうことです。




さて、で、ニカラグアではその農作物を加工せずにそのまま売ってるわけです。輸出したり、国内向けに売ったり。

バナナ1本4円、とか。マンゴー1個40円、とか。

それが「一次産品をそのまま売ってる」って事です。





で、で。

例えば、コスタリカの企業とかが大量にそのバナナを買い付けにきて、それをコスタリカに持って帰る。そして、そこの工場でバナナジュースにして、カッチョよいパッケージをつけて商品化する。そしてそれをまたニカラグアに持ってきて、スーパーマーケットなんかで良いお値段で売る訳です。


そうすると、ほとんどタダみたいな値段の一次産品から日本よりちょっと安いくらいのバナナジュースがつくれて、その利益はコスタリカの企業に入って、コスタリカの企業は雇用も創出できて、法人税もおさめるので国も豊かになる、ってことになるわけです。

これが「付加価値をつけて売る」ってことみたいです。




なので、「ニカラグアでもそういう事をしようぜ」ということで、ベンチャー起業育成プロジェクト、なんかが活動していたりして、僕もその一員だったりするわけです。









さて、ここでもうちょっと深く考えてみるんですが、「価値」ってなんなんでしょう?


上の説明で言うと、そのままのバナナよりもカッチョ良いパッケージに入ったバナナジュースの方が「付加価値」がついている、ということになります。



だから、人々は、カッチョ良いパッケージバナナジュースの方に高いお金を払って買う訳です。







でもでも、よく考えたら、バナナジュースよりバナナそのままの方を食べたい時もあるはずです。

更に言えば、最近の健康ブームとかも影響して、「どこでどう加工されてるか分かんないバナナジュースよりもバナナそのまま買って食べた方が健康だし!」という人もいると思います。






Wikipediaには「価値」について色々な説明があります。:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%A1%E5%80%A4


難しくてよく分からないのですが、多分一つ言えるのは、「価値」は時代や場所によって変わるということです。





さっきの例で出した様に、きれいにパッケージ化された商品に多くの人が飽きた社会や、それにともなって健康ブームが広がる社会では、多くの人が「工場で加工されたバナナよりも自然のバナナの方が良い!」と思う様になり、「工場でジュースに加工してきれいなパッケージをくっつける」というものより、「大自然の中を歩きながらバナナをとって食べるツアー」みたいな「商品」の方が付加価値が高くなるのかもしれません。



でも、きれいなパッケージでバナナジュースを飲むのがカッチョ良い!と多くの人が思う社会では、工場で加工されたかっこいいパッケージのバナナジュースの方が付加価値が高いのかもしれません。







将来、どんなものに「価値」があると人々は考える様になるのでしょう。

また、その「価値観」を形成していくのはどんな世の中の動きなんでしょう。

その世の中の動きに少しでも関わっていけるのでしょうか。



これは、こないだ書いた「マーケティングと民主主義」(すいませんスペイン語。笑)の話にも繋がってきます。すいません、いつか日本語で書きます。笑