Anti-Fragile 〜人生は不安定なものなんじゃないだろうか〜
前に勤めていた会社の標語で、好きなものがありました。
「変わり続ける事が、変わらざる本質である」
(前の会社がそれを体現してるとは言っていませんよ?笑 すいません相変わらず生意気で!笑 でも、体現していないとも言ってませんよ?)
こうやって好奇心にしたがって生きていると、楽しいしワクワクするし、凄くいい感じなのですが、まあ、将来の不安がないわけではないわけです。
ちゃんと稼いで食って行けるのかなあ、とか、どこで生きていくのかなあ、とか、老後は大丈夫なのかなあ、とか、etc etc。
でも、よくよく考えてみると、人生ってそういうもんだと思う。
人類の歴史の中で、「一度会社に入ったら定年まで雇用が保証されていて、上がって行くだろう給与水準に応じて人生プランを立てられ、勤務期間中に払った年金で老後も死ぬまで食っていける」なんちゅー「安定した」長期プランを立てられる人々なんて、ごく一握りです。
人類の歴史の中で、とまで言わずとも、世界的に見ても、そんな人々は一握りです。
昨日はニカラグアの山奥の酪農村でインタビューをしてきたのですが、彼等は、1年後自分の生活がどうなるかさえ考えていません。そんな事は考えず、毎日朝4時に起きて乳搾りをして、それを売って生計を立てています。そして、リラックスして楽しんでいる様に見えます。
Antifragile: Things that Gain from Disorder
- 作者: Nassim Nicholas Taleb
- 出版社/メーカー: Penguin
- 発売日: 2012/11/27
- メディア: Kindle版
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この本には、こんな事が書かれています。
「変化の原因を後付けで説明する事は簡単である。けれど、誰もそれを前もって予測できない。」
「何が起きるか分からない世の中で、幸せに生きていきたいと思う。」
前に、新年の抱負について、ちょっと書きましたが、現代社会は、非常に「プランニングする事」に長けてると思います。
僕も、お客さんに金融サービスを提供する時に、ビジネスプランを作ったりします。こうやったら上手く行くんじゃない?あなたの月の収入はこれくらいになって、支出はこれくらいになるだろうから、その利益の中からこれくらいを返済に充てればいいんじゃない?それで、12ヶ月で返済完了だね。
みたいな。
でも、プランがプラン通りに行く事なんて、ない。
プランする事が悪い、と言っているわけではないんです。もっとちゃんとプランニングしないから誤差が生じる、と言っている訳でもない。むしろ、プランすることは、しないより「マシ」だと思います。
問題なのは、「プランがプラン通りにいく、と思ってしまう事」です。もしくは、「プランがプラン通りに行かなかったから、誰かのせいにして、そのプラン通りの恩恵を受けられなかった自分を不幸と思う事」です。
人生も社会も同じだと思います。誰も、何が起きるかなんて分からないです。
もちろん、プランした人生設計や、社会設計が上手くいくことはあります。それに上手く乗っかれた人を見て、安定している人達は良いなあ、と思う事はできます。
でも、そういう人達は、「ラッキーな少数の人々」な気がします。少なくとも歴史的、世界的に見れば。
人生なんて、不安定で当たり前なんじゃないでしょうか?それがフツーなんじゃないでしょうか?そんな、何年も先の事を考えて今を生きたり、不安になったりする事は、非合理であるばかりか、不必要なことなのかも、とさえ思えてきます。
最大の安定は、不安定を楽しめる事だと思います。Anti-Fragileでいきましょう。