(国際協力とか貧困削減に興味のある人達へ その3) マイクロファイナンスを批判する (かなりマニアック)

さて、前回の記事で告知させてもらったイベントは大成功でした。来て頂いた皆さん、本当にありがとうございました。




さてさて、僕はとてもあまのじゃくなので、いつもいろんな事を斜めに見たり疑ったりします。もちろん自分の事も疑います。(他人のことも疑いますよ、もちろん。嫌な奴。笑)


まあ、前も書いた様に、疑うことにも価値あるかなーなんて思ってるのもあるんっすけど。笑




なので、今回からはちょっとマイクロファイナンス(以下MF)やファイナンシャルインクルージョン(以下FI)を疑ってみます。

(かなりマニアックなので、興味がない方は読まない方がいいです。笑)


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金融サービスへの「ニーズ」は本当にあるのか? (少額融資「Micro-credit」編)


さて、前回の記事で書いた様に、MFやFIは、貧しい人達の金融サービスへのニーズ(銀行口座を持ちたい、とか、安い手数料で送金したい、とか、適正な利率でお金を借りたい、とか、そういうニーズ)を満たして、彼等が貧困から脱却する手助けをしよう、というものです。




でも、それらは本当に彼等の「ニーズ」なんでしょうか?

こないだ、「Needs」は「Wants」である可能性が高い、と書きました。

どういうことか。つまり、例えば彼等が「適切な利率でお金を借りたい」と言ったとしたら、それは、「満たすべきNeeds」と考える事もできますが、「本当は必要ないのにつくりだされたWants」と考える事もできる、ということです。





例えば僕がニカラグアマイクロファイナンス機関で勤務していたとき、そのマイクロファイナンス機関の営業担当は、こんな風に言ってA村のお客さんにお金を借りてもらおうとしていました。


「お隣村のBさんはうちからお金を借りて小さなコンビニを始め、成功して豊かになったんだよ。あなたもうちからお金を借りて何かビジネスを始めれば、きっと豊かになれるよ!!」
(もちろん彼はスペイン語で言っていたので日本語に訳す上で多少の意訳はしています。最後のびっくりマークとかね。笑)




さて、この噂を伝え聞いたお隣のC村の人が、「おお、そうか!金融サービスへのアクセスがあると豊かになる事ができるんだ!俺も金融サービスが欲しい!」と言ったら、それは「Needs」なんでしょうか?それとも「Wants」なんでしょうか?




すごくうがった見方をすると、「金融サービスを使うと豊かになれるよ」という「幻想」を振りまいてNeedsを「つくりだしている」んではないでしょうか?



マイクロファイナンス機関というのは金融機関です。金融機関というのはお金を貸さなければなりません。なので、営業担当の人は、「月〜ドル以上の貸し出しを行わなければいけない」みたいなノルマがある。ノルマを達成できないと給料が下がったりボーナスが下がったりする。

そうすると、営業の人は、お金を借りてもらえる様な「営業トーク」をします。




もしC村の人が営業マンの話を信じてお金を借りて事業を始め、失敗して多重債務に陥ったら、「顧客の自己責任」で片付けるんでしょうか?


マイクロファイナンスを推進している僕みたいな人間に責任はないんでしょうか?





(次回に続く)
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さて、ではここで告知です。笑

こんな話をもっとしたいよ、という人の為にこないだのイベント(https://microfinance.doorkeeper.jp/events/36331)の続き(応用編)をやることになりました。

多分3月26日(土)か27日(日)です。

詳しくはまた後日アップデートしますので、乞うご期待下さい!!