パッチワークの重要さ 〜オーダーメイドの解決策〜

日本にいた時は、ある会社のITの部署で働いていました。


その時に覚えた単語の一つに「パッチワーク」というものがあります。


これは、基本的に、ネガティブな単語として使われていました。


それは「根本的な原因を追求せずに、場当たり的な対応ばかりしていること」を意味します。






たとえば、あるパソコンでインターネットの動作が遅くなったとしましょう。そんな症状が、あっちの部署でもこっちの部署でも出たとします。

そしたら、その動作の遅くなったパソコンを一つ一つ点検して、例えば、違うブラウザを使ってみる、とか、ブラウザの設定を変えてみる、とかして、一時的に動作の速度を回復させることはできるかもしれません。

でもそれは、「応急処置」です。


根本的な原因を探らないと、あとからあとから同じ問題があちこちで出てきて、手に負えなくなってしまいます。





もしかしたら、それは、ネットワークの帯域(〜bpsとかいうやつ。あれは、bits per secondていう意味で、1秒間に何ビットのデータを送れるか、という意味)が足りなくなってしまったのかもしれないし、サーバーに新しくインストールしたアプリケーションと今まで使っていたインターネットブラウザの相性が合わないのかも知れません

*ITを全く分からない人の為にちょっと説明(といっても僕もIT素人ですが。。。)

大体、会社のシステム、というのは上みたいになっていて、会社で使っているPCの裏側には、ネットワークとか、サーバーってのがあります。会社に限らず、皆さんが使っているYouTubeとかも同じ。YouTubeにアクセスすると、Googleが持っているどこかのサーバー(YouTubeGoogleに買収されたから。)に、ネットワーク経由でアクセスしています。
だから、あるPCで問題が出て、その問題が、サーバーとPCの相性の問題だとすると、他のPCでも後から次々問題が出てくる可能性が高いです。構造が他のPCも同じなので。
ネットワークも同じで、例えば、自分の家のネットワークに問題がある場合は、自分のPCだけに問題が置きますが、もしGoogleの、サーバーが置いてある建物のネットワークに問題があったとすれば、YouTubeを使っている全ての人に影響が出ます。

まあ、実際はそんなことがおこらないように、いくつにも対策がしてあるのですが。。。例えば、あるサーバーが動かなくなったら、すぐさま違う新しいサーバーに切り替えるようになっている。




話がそれましたが、ともかく、



まとめ①
「合理的に考えて」「根本的な原因を追及すること」が大事。パッチワークはだめ。
















さてさて、今、僕はうってかわって、「貧困削減」みたいな仕事をしています。


とすると、上の議論を当てはめると「貧困の根本的な原因を考えて、その原因を潰そう」というのが正しい考え方です。


でしょうか?








じゃあ、「貧困の根本原因」はなんでしょう。。。。。これ、むずかしいと思います。

難しい、という表現はちょっと違うかなあ、と思って、多分「特定できないんじゃないか」と思います。






上に紹介したようなITとかの事例では、根本原因の特定が難しくても、頑張れば、必ず原因は見つかります。根本的な原因が。



でも、「貧困」みたいな社会科学的なテーマになると、いろーーーーんな複雑な要因がからんでるので、「根本的な原因」というのは特定できないような気がします。



むしろ、「根本的な原因を特定できる」という考え方は、時には有害かもしれないとも思います。




そもそも「貧困」の定義が曖昧です。お金がない人が「貧困」なの?心が貧しい人が「貧困」なの?可能性がない人が「貧困」なの?


また、「貧困」の原因も複合的です。経済的なものから、文化的なものから、地理的なものから、政治的なものから、心理的なものから、宗教的なものから、


いろーーーーーーーーんな要素がくみあわさって、「貧困」という状態が生まれています。









だから、よく言われる様に、「現場に行って、人々の声を聞いて、実際見て、オーダーメイドの原因究明をすること」、つまり「パッチワーク」が大事だなーなんて思う訳です。





まとめ②
問題の原因や背景が複雑で、各々の状況が違う時には、「パッチワーク」も重要だろう。現場に赴いて、「オーダーメイドの解決策」を考える必要がある。







社会や世界は、ほんとーーーーに複雑だなあ、なんて思います。だから面白いのですが。




*じゃあ、どこまでが、ITの様に「関わる要素が限定されてるから根本原因を特定できる分野」で、どこからが、貧困削減のように「関わる要素が多すぎて根本原因を特定することが難しく、パッチワークが大事な分野」なの?という問題は、難しいと思います。これからの検討課題です。そもそも「関わる要素の数」で場合分けするのは間違いな様な気もします。。。それについてはまた後日。