「何も持たない」という生き方。 〜フィリピン その1〜

さて、こないだフィリピンのレイテ島というところに行ってきました。

まあ、調査、というか、フィールドトリップ、というか、旅行、というか。



レイテ島というと日本ではレイテ沖海戦とかレイテ島の戦いで有名だと思います。


とっても奇麗な場所。


が、今回の旅の目的は歴史調査ではなく、2013年の台風ハイエンで被害を受けた人々の生活状況がどれくらい改善してるのかを見にいく、というのが目的です。


村の人々に話を聞く。




さて、レイテ島は地理的な位置の関係で、歴史的にずっと台風の被害に悩まされ続けてきました。


毎年の様に台風が来て、何もかも吹き飛ばしていってしまう。耕した農作物から、稲穂から、ココナッツの木まで。


日本のようにしっかりした造りの家ではないので、家も吹き飛ばされてしまう。


そして、大きな台風が来た後には警察も機能しなくなるので、泥棒が入ったり、略奪がおきたりする。






で、どんな風にそれに備えてるのかを聞いた所、村人の一人が言いました。



「何も持たなければ失うものも何もないんだよ。ははは!」







彼はふざけていましたし、諦め半分でした。彼は、本当であれば良い家に住み、車を持ち、良い服を来てバーを渡り歩きたいのかもしれません。




でも、彼は、半分本気でそれを言ったのかなーとも思いました。






生まれてから今まで、ずーっと、毎年台風がきて、5年に一度くらい極大の台風がきて、全てをもっていってしまう。そうすると、何も持たない方がいい、というメンタリティになるのは当然かもしれません。






そして、それはそれでアリな生き方だなーなんて思います。





別に彼等が物的に豊かになりたいなら、それを否定するつもりも全然ありませんし、そんな権利もありません。




でも、そういう生き方のオプションもありだなーと思った、ということです。



どこに生きてても、予期できない災害はおこるわけです。程度の差はあれ。レイテ島だけではなく。だったら、その災害で台無しになってしまう様な「モノ」を保有するのではなく、そんな災害がおきても失われない「ナニカ」を持つ、というのは立派な生き方だと思った訳です。



(続く)